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自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟宛要望書(2020年6月12日)

4 年前
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6月12日付けで、自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟(会長・石破茂衆議院議員)宛に、下記要望書を提出しました。
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要 望 書

 

平素よりユニバーサル社会推進にご尽力いただきまして誠にありがとうございます。新型コロナウイルスの影響により、様々な変化が生じてきているなか、コロナ禍によるうつ状態なども含め、メンタルヘルスの対策も国民全体の大切な課題のひとつになってきています。当会として以下の要望をいたします。 

 

1.本人中心の医療実現と本人・家族のもとに届けられる支援・治療サービスの実現

今般、兵庫県の精神科病院で、看護師、看護助手ら6名が逮捕されるという事件が起きました。報道によれば、看護師らは患者を椅子に座らせ放水したり、男性患者同士でキスをさせたり、床に患者を寝かせ柵付きベッドを逆さまに覆いかぶせて監禁するなど、その虐待は1年以上続いていた可能性もあると言う。実におぞましい虐待ですが、これが精神科病院の中で行われていたことは看過できません。

精神科医療は、精神疾患の本人・家族にとって、自らの生活を安心して送るための支えです。その場が、私たちの尊厳を踏みにじる場であれば、とても危険で、根絶しない限り利用することはできません。

この事件を一病院の問題に留めず、行政機関を含む権利擁護システムが機能不全とならぬように、精神科医療のあり方についても今一度精査すべきです。でなければ、もっとも立場の弱い患者に対する虐待・暴力等の温床を残すことになりかねません。

私たち公益社団法人全国精神保健福祉会連合会は、精神障害者と家族の権利擁護の実効に向けて、所管行政の責任ある迅速な対応を求めます。

本人が家族や地域社会とのつながりを回復し、人生に対する希望を失わず有意義な生活ができるよう、非自発的入院に伴う医療不信を払拭するためにも、本人の自発的受診ができない場合(未治療)や病状が悪くなったとき(医療中断を含む)際の相談および訪問・介入による治療、支援等の提供が不可欠です。

①全国の精神科病院について、虐待案件の実態調査を実施してください。そして、障害者虐待防止法の通報義務に病院を加えて下さい。

②精神医療審査会の人権擁護機能の充実(必要最小限の行動制限:身体拘束・隔離等)

③意思決定支援の充実、インフォームドコンセントの徹底、更には、SDM(共同意思決定)の実現

④本人・家族のもとに届けられる多職種チームによる訪問型支援・治療サービスの充実

⑤相談窓口の整備(早期相談支援体制の構築・24時間365日対応相談窓口の開設・精神保健福祉の専門相談員・訪問サービス実施)

⑥一定の地域(人口5万人目安)にメンタルヘルスの責任をもつセンターの設置(一般医療機関との連携・ネットワークの構築)

⑦家族や理解者が入院中の本人との面会を保障するよう徹底してください。コロナ禍による処遇制限の乱用をやめさせてください。

37条第1項大臣基準の通信制限、面会制限、開放処遇制限、隔離、身体拘束等の処遇を規定して正当化しているがその乱用がみられる。防護服を着用するなどによる代替え手段も積極的に取り入れるべきです。

⑨虐待防止の通報義務を精神科病院(医療機関)・教育機関にも課してください。

⑩障害当事者・家族も参画のうえで、独立した第三者人権機関を設置してください。

 

2.市民のメンタルヘルスケアの充実、メンタルリテラシー教育の徹底。

2022年より高校保健教科書にて教育が40年ぶりに復活しますが、広報とともに義務教育とりわけ中学校からの正確な教育が重要です。

①全国民に精神疾患に対する基礎知識や制度についての正しい正確な学習が促されるように啓発教育の推進(学校教育・一般市民・医療関係者への精神疾患・精神障害の教育)を推進してください。

義務教育課程の学習指導要領においても精神疾患に関するカリキュラムを早期に確立してください。

 

3.障害者の法定雇用率引き上げの完全実施を

厚生労働省は、民間企業における障がい者の法定雇用率1 2.0%2018年度から2.2%に引き上げ、2020年度末までに2.3%に引き上げることを20175月に決定していました。障害者の働く環境を整えるとともに、その業務と人材は多様性していることも受けとめながら、実施目前になって、新型コロナ対策に関連し経済動向を理由付け、経済状況の悪化を理由にこの決定されている雇用率が見直されたり、反故にされる状況は看過できません。

真の障害者の働く権利及び環境は、経済動向に左右されるものではありせん。雇用率と新型コロナ対策は区分けするべきです。

202111日に法定雇用率の0.1%引き上げを予定通り実施してください。

②新型コロナ対策に伴なう対策を別途実施し、障害者の雇用が守られる雇用対策をしてください。

 

4.精神障害者も身体・知的障害者同等に交通運賃割引制度の適用実現を

198国会に付託されていた「精神障害者の交通運賃に関する請願」は、衆参両院の国土交通委員会にて令和元年626日に採択され、内閣送付となりました。

みんなねっとは、精神障害者も身体・知的障害者と同等にJRなど交通運賃割引制度の適用対象にしてくださいという請願をこの5年間粘り強く取り組んできました。

今回、初めて採択されましたが、これですぐに実現するわけではありません。請願が衆参両院で採択されたことを力に、公共交通運賃割引を精神障がい者に提供されるようにしてください。

①国土交通省(国土交通大臣)とも改めて、この課題について共有し、意見交換する場を設けて下さい。

JR各社との折衝では、JR各社横並びでないと実施不可能との見解もあります。家族会・当事者団体が国交省と共にJR各社・民間鉄道協会加盟各社に一堂に要請を行なえるようにしてください。

公共交通機関の種別や事業者によりバラバラで乗り合い路線がある場合にその煩雑さが割引制度の実現に支障となっている場合には、政府がその調整を行えるようにし、指針を示してください。 

以上

公益社団法人全国精神保健福祉会連合会みんなねっと事務局

167-0054
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03-5941-6345
FAX
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