【障害年金制度に関する緊急要望】
2024年度の障害年金申請において、不支給と判定された人数が昨年度の2倍以上に急増し、約3万人に達したという報道は、制度への信頼を大きく揺るがすものです。当会にも複数の質問や不安の声が届きました。機構の資料等によると、この急増には属人的な要因や、職員による判定医への誘導とも受け取れる実態があることが示唆され、恣意的な運用が行われている疑念があります。
このような事態は、障害年金制度が重要な社会保障であることを鑑みれば、許容できません。現行制度は医学モデルに偏重しており、特に精神障害者の生活実態を十分に反映しているとは言い難く、機構における申請者への消極的な姿勢や職員の専門性不足も指摘されています。障害年金は国民の信頼の上に成り立つものであり、公正かつ丁寧な審査が不可欠です。早急に何らかの対応策が不可欠と考えます。
つきましては、下記の事項を強く要望いたします。
要望内容
- 審査体制の多角化:医師に加え、精神保健福祉士等を含む合議制とすること。
- 生活実態調査の導入:申請者の生活状況、就労状況等を把握するため、訪問調査等
を実施すること。 - 判定基準の明確化:精神障害の判定基準を具体的に公開し、就労状況を評価に加え
ること。 - 審査プロセスの透明化:審査過程、判断理由等の情報開示を徹底すること。
- 日常生活能力の多角的評価:家事、金銭管理等の困難さを具体的に評価すること。
- 社会参加状況の評価:地域活動への参加状況や孤立状況等を評価に加えること。
- 福祉サービス利用状況の評価:利用サービスの種類や目的等を評価に加えること。
- 職員研修の充実:職員に対し、障害者福祉に関する専門知識等を涵養すること。
- 専門家の配置:審査部門に精神保健福祉士等を配置し、多角的な審査を可能とする
こと。 - 相談体制の強化:申請者が安心して手続きできるよう支援すること。
- 組織文化の改革:申請者に丁寧かつ公正な対応を行う組織文化を確立すること。

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