判決が出る前の2月8日には、精神科医でつくる日本精神神経学会が「強制不妊手術を受けた人々の生と人権を損ねたことを被害者の方々に謝罪する」との声明を出し「精神障害や知的障害への差別、制度上の不合理を改革するため力を尽くす」としました。
また、判決を受けて、当時は合憲であったと説明してきた政府も、岸田首相(7/17)や小泉法務大臣(8/2)、加藤こども政策担当大臣らが旧優生保護法訴訟の原告団に謝罪するなど、優生思想の誤りを具体的に正す一歩が踏み出されようとしています
令和6年7月3日に最高裁判所大法廷が下した判決に関するみんなねっとの立場
最高裁大法廷の判決は、戦後最悪の人権侵害である強制不妊手術問題について、国が「当時は合法だった」との主張から決別する必要があります。被害者の人権・名誉回復、再発防止策、優生思想の排除などが求められています。
問題解決への出発点は、国会と政府が被害者に謝罪し、理念法と補償法を制定することで、分け隔てのない社会が実現していくと考えます。
- 被害者の尊厳と権利の回復
長い間苦しんでこられた原告の方々に対して、判決が出たことを高く評価し、支持します。当事者の尊厳と権利を回復するために、国としての真摯な謝罪と損害賠償が必要です。被害者への謝罪と名誉回復 被害者への謝罪と適切な賠償を求めます。 - 障害者権利条約との整合性
最高裁判決は障害者権利条約対日審査総括所見に応えるものであり、国は障害者の権利を尊重するために引き続き努力すべきです。 - 過去の誤りと反省
過去の関係者の誤りを認識し、家族としての立場も含め自戒と反省を持ちながら活動を進めます。 - 再発防止と教育・啓発活動
優生保護法の歴史を理解し、差別を排除するための教育と啓発活動を求めます。 - 共に尊厳を持って生活できる社会の実現
政府と共に、障害者が尊厳を持って生活できる社会をつくるために努力します。
2024年8月9日 公益社団法人全国精神保健福祉会連合会