家族ピアサポート養成研修会は日本財団からの助成を受けて、各地で家族が相談対応の基礎を学び、家族が孤立せずに同じ立場の家や家族会につながる支援ができることを目的に実施しました。
家族の自発性に基づく活動となっており、「人とつながりたい」「学びたい」「人の役に立ちたい」などのニーズにもとづいて、その希望に応えられる研修会や、学習会を開催しました。
「病気のこと」「患者の症状のこと」「薬の知識」「患者当事者への対応のしかた」などの座学を中心に電話相談の事例を検討する実践的な研修も開催されました。
求めるニーズや圏域ごとに、なるべく多くの家族が参加できるように、研修会を複数回開催する県連もあり、専門性の高い内容の研修会を独自に企画して実施するなど、ピアサポーターの力量とともに実施する都道府県連合会の力量も向上したものと思われます。
研修会の受講で参加者の知識・技術の向上だけでなく、支援者として家族を支えるという強い使命感を持つ方も出てきています。継続実施している県連の相談員は確実に力をつけており、質の向上に繋がりました。
現状では、まだまだ家族が相談できる場所は少なく、孤立し、家族内で抱え込んでしまう場合が少なくありません。同じ立場である家族が相談技術を身につけ、相談対応ができるようにすることが、精神障害のある本人を抱えたばかりの家族にとって重要な支えとなります。
このようなピア相談活動業を充実させ、実績を重ねていくことで、家族のピア相談支援の制度化へと結びつけていきます。
家族ピアサポーター養成研修(18か所)の実施状況
NO | 団体名 | 実施日 | 参加者数 | 会場 | 実施したテーマ内容 |
---|---|---|---|---|---|
1 | NPO法人岩手県精神保健福祉連合会 | 県南10月5日 沿岸10月22日 |
県南44名 沿岸24名 |
花巻市社会福祉協議会釜石地区生活応援センター | 県南、沿岸両会場とも 講師:阿部祐太氏 ・講演「家族相談の在り方や意義について」 ・相談活動発表会「北上地区北和会」 ・グループワーク |
2 | 宮城県精神障がい者家族連合会 | 1回目2018年12月5日 2回目2018年12月23日 |
1回目30名 2回目32名 |
仙台市福祉プラザ研修室 | 1回目: 講師:東北福祉大学せんだんホスピタル柴田知帆先生 ・講演「家族会だからできる相談とは」 ・実践検討会「模擬電話相談」 2回目講師:社会福祉法人ゆうゆう舎理事長釣舟晴一氏 ・講演「新たな福祉サービスの利用について」~つなげるためにささえる、ささえるためによりそう~ |
3 | 一般社団法人茨城県精神保健福祉会連合会 | 2019年1月18日 | 52名 | 茨城県立健康プラザ3階大会議室 | ・講演「家族相談活動の進め方」 講師:龍ヶ崎地方家族会副会長 PSW大久保タイ子 ・事例検討 |
4 | 栃木県精神保健福祉会 | 2019年1月31日 | 27名 | 栃木県立精神保健福祉センター | 午前の部:知識編 講座1 社会資源の基礎知識 ~福祉サービス全般について~ ・講師:栃木県安足健康福祉センター健康支援課健康福祉専門員 河田加代子氏 講座2 障害年金等について ・講師:とちぎ障害年金相談センター所長 草村健一朗氏 午後の部:実践編 演習1 ・家族相談の進め方&やってみよう家族相談講師:栃木県精神障害者支援事業協会事務局長 小池秀明氏 演習2 ・「事例検討会~相談活動の体験発表~」(困難な事例について発表及び専門家の助言) |
5 | 埼玉県精神障害者家族会連合会 | 1:2018年10月1日 2:2018年11月9日 |
1:39名 2:24名 |
10月1日:大宮ソニックシティ会議室602 | 1:講義編:統合失調症薬物治療を正しく理解し正確に伝えるために 講師:橋本亮太(精神科医/国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神疾患病態研究部) 2:困難相談事例4件の事例紹介と対応について学ぶ |
6 | 東京都精神保健福祉家族会連合会 | 多摩ブロック 9月29日 東ブロック 1月27日 |
多摩 28名 東ブロック 25名 |
多摩:府中市市民活動センター 東ブロック:北区滝野川会館 |
多摩ブロック、および東ブロック相談員養成講座 講師はいずれも羽藤邦利(精神科医/羽藤クリニック院長) |
7 | NPO法人新潟県精神障害者家族会連合会 | 2018年11月12日 | 40名 | 燕三条地場産業振興センター研修室 | ・知識編:「家族支援を考える~家族相談から見えてきたもの~」 ・講師:伊藤千尋(淑徳大学総合福祉学部) ・実技編1:相談事例検討会 ・実技編2:グループワーク |
8 | NPO法人長野県精神保健福祉会連合会 | 2018年7月19日 | 29名 | 松本市なんなん広場大会議室 | ・講演:「相談員の基礎知識」 ・講師:高森信子(SSTリーダー) ・質疑・体験学習・講義 |
9 | 山梨県精神障害者家族会連合会 | 2018年11月4日 | 60名 | 山梨県福祉プラザ | ・講演:「親な亡き後に備えて」 「電話・面会相談の役割と意義」 ・堀場洋二(名古屋市家族会) |
10 | 公益社団法人京都精神保健福祉推進家族会連合会 | 2019年1月24日 | 33名 | キャンパスプラザ京都 第3講義室 | 講義1:地域相談員に対する説明会 講師:京都府障害福祉課 講義2:「大人の発達障害」 講師:守時道演(第二北山病院医局長) |
11 | 公益社団法人大阪府精神障害者家族会連合会 | 2019年12月8日 | 39名 | アネックスパル法円坂会議室 | 講義:相談対応の基本姿勢~傾聴・共感~を学ぶ 講師:瀧本優子(梅花女子大学教授・SST認定講師) |
12 | NPO法人奈良県精神障害者家族会連合会 | 2018年11月11日 | 106名 | 大和郡山市市民交流館 | 知識編:白石美佐子(社会保険労務士) 障年金審査一元化、新ガイドラインを踏まえた申請(更新)の仕方 実技編:演習(障害年金申請事例検討会)模擬演習として、年金診断書を家族等が自ら記載し、その結果を事例検討として話し合い、講師が助言 |
13 | 和歌山県精神保健福祉家族会連合会 | 2018年11月9日 | 43名 | 那智勝浦町体育文化会館 | ・講演:「家族依存から社会的支援に向けて進める会について」大畠信雄(和歌山県精神保健福祉家族会連合会) ・講演:「地域で家族・当事者を支援するために」藤本綾子(麦の郷) ・講演:「家族を孤立させないために」蔭山正子(大阪大学大学院医学系研究科)・グループワーク |
14 | 公益社団法人広島県精神保健福祉家族会連合会 | 2018年11月30日 | 37名 | 広島県健康福祉センター | 講演1:21世紀の精神科医療と脳科学~精神疾患は脳疾患」 講師:医療法人社団友和会理事長末田格氏 講演2:精神障害者家族間の支援者(ピアサポート)の在り方・大切にすること」 講師:社会福祉法人しらとり会、金子百合子氏 |
15 | 公益社団法人福岡県精神保健福祉会連合会 | 2019年1月25日 | 60名 | 福岡県吉塚合同庁舎5階会議室 | ・講演「相談援助の理論と方法」 ・講師 西九州大学社会福祉学科准教授 橋本みきえ ・グループワーク「相談活動の体験発表」 |
16 | 公益社団法人大分県精神保健福祉会 | 2018年11月10日 | 34名 | 大分県総合社会福祉会館 | 講演1:「効果的な面接技術~聴いてもらえる喜びを届ける」 講師:癒しの森所長 明石次郎氏 講演2:相談員の役割と対人援助について」 講師:とよみ園 陶山武尊氏 |
17 | 一般社団法人熊本県精神障害者福祉会連合会 | 2018年10月26日 | 32名 | 熊本きぼう福祉センター | ・知識編 講演「家族が家族の相談を受ける意味について」 ・実践編 演習テーマ「『話してよかった!』を生み出す~誰かの力になるために~」 |
18 | NPO法人宮崎県精神福祉連合会 | 2018年12月1日 | 28名 | 宮崎市総合保健福祉センター会議室 | ・講演:鹿児島県における家族会活動 ・講師:小蓬原千津留(鹿児島県東串良町ルピナス会理事長) 小蓬原昭雄(鹿児島県連事務局長) ・グループワーク(家族相談ハンドブックによる相談学習) |