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JRなど運賃割引推進NEWS

衆議院予算委員会第五分科会質問

2021年4月15日掲載

令和3年2月26日 衆議院予算委員会第五分科会
精神障害者の交通運賃に関する大岡議員(滋賀県選出)の質問要旨

2月26日の衆議院予算委員会第5分科会で大岡敏孝議員がJRの交通運賃割引について質問されました。
JRが精神障害者に障害者運賃割引を適用していない不合理について、鋭く追及しています。

本資料は、尾畑聡英滋賀県連理事長(全国精神保健福祉会連合会理事)から寄せられました。

なお、この質問の様子は、衆議院TVインターネット審議中継で公開されています。
下記サイトからご覧ください。

大岡議員質問内容 ここをクリック 6:32:30付近から

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=51568&media_type=


❖ ユニバーサル社会は知的も身体も精神も同様に、公平に扱う ❖

○大岡分科員 
ユニバーサル社会、とりわけ、障害のある方、障害をお持ちの方々にとっても差別や不公平のないような形の社会づくりについて質問を進めてまいりたいと考えております。
この国会では、障害者差別解消法の改正を予定されていると承知をしております。
障害者から寄せられる最大の困難の一つが移動です。この移動につきまして、厚生労働省として、どういった障害者の意見を把握しているか。

○赤澤政府参考人 
障害者の方の移動に関する御要望ということでございますが、関係団体等からは、JR等に対する、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方の運賃割引、これがなされていないという御要望があるというふうに私ども承知しておるところでございます。

○大岡分科員
JRに対する割引に関する要望が非常に多いということでございました。
現在、旧国鉄、今のJR各社の障害者に対する割引の対応を見てみますと、精神障害者を区別して対応しているようです。
これは、今の考え方からすると、知的も身体も精神も同様に、公平に扱うことが今の政府の姿勢だと理解しておりますけれども、このJRの割引にどういった考え方に沿ってやっておられるものなんでしょうか。

○木村政府参考人  
鉄道の割引運賃につきましては、一義的には、導入に伴うコストなどを勘案した上で、鉄道事業者の判断により行われているところでございまして、ちなみに、法律上の枠組みを申し上げますと、鉄道事業法という法律が鉄道事業を規制しておりますけれども、事業者からの届出で割引運賃につきましては導入が可能でございまして、その導入について国が強制するということは基本的にはできない、そういう枠組みでございます。
その上で、お尋ねの、JRの障害者の方々に対する割引制度の導入について申し上げさせていただきますと、JRに確認したところ、JRからは、障害者の方々に対する日常の鉄道利用に際しての割引は、常時介護者の付添いが必要である重度の障害者の方御本人と介護者の方を合わせて一人分の運賃とするために実施しているところであると。
したがいまして、身体障害者の方々及び知的障害者の方々につきましては、障害の区分で介護が必要かどうかというのが明確なところでございますけれども、精神障害者の方々につきましては、常時介護者の付添いが必要か否かについての障害上の区分がされていない、こういった理由などから割引運賃を導入していない、これがJRの障害者割引についての考え方でございます。


現状のままの答弁?
❖ JR北海道・JR四国の株主は機構(国)である ❖

○大岡分科員
  要は、コストがかかるからやらないということと、精神障害者は、程度も含めて、何だか分からないからやらないと。JRはこのような回答をしていますけれども、それでよしとされているんでしょうか。現状のままであるという答弁でございました。もう少し踏み込んで聞きますと、例えば、JR北海道とJR四国、株主は誰ですか。これは機構が持っていますよね。少なくとも北海道と四国に対しては、政府が株主として求めるということができるはずじゃないかと思いますが、この点についてどのように考えておられるか。

○木村政府参考人  
割引運賃の導入につきましては、一義的には鉄道会社の自主的な判断により行われることとなるものと承知しております。これは、株主の鉄道・運輸機構が保有しておりますJR北海道、JR四国につきましても、制度的な枠組みは同じものだというふうに考えているところでございます。
障害者差別解消法の八条で、事業者は、実施に伴う負担が過重でない場合に、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮を行うこととされているというふうに承知している。各種障害者の方々に対する割引導入に際するコストの負担の問題や健常者とのバランス等を総合的に勘案の上、事業者の方で判断するものだと考えております。


❖ 過重な負担? コストなんか変わらない ❖
このままでは障害者差別解消法も完全に空洞化する

○大岡分科員  
これは国民の皆様が聞いておられるところで我々も議論しているんですけれどもね。じゃ、二百円の運賃を百円にしました、障害者一人当たり五〇%割引きました、この百円がJRにとって過重な負担でしょうか。障害者のために車両を一つ造れと言っているわけじゃないです。障害者が乗るから臨時便を出せと言っているわけじゃないです。どうせ、障害者が乗っても乗らなくても、電車は出すわけでしょう。
人が少ないからこの電車はやめますというわけにはいかないじゃないですか。コストなんか変わらないはずですよ。それを、二百円のところを百円にする、これが過重な負担と言い出せば、もう障害者差別解消法そのものを空洞化させる議論ですよね。
何兆円も売上げを取っているJRにとって、この百円が過重な負担だと言い出したら、では合理的な配慮というのは何なんだと。障害者差別解消法を完全に空洞化させる議論なんです。
だから、この点は国交省も厚労省も真剣に、今年法改正を予定しているわけでしょう。これから国会審議をするわけですよね。これを過重な負担であり合理的な配慮の範囲を超えるとしてしまったら、もう障害者の差別なんか解消されないですよね。
例えば、新幹線を見てみますと、運賃は百キロを超えると割引くけれども、新幹線、当然特急料金はかかるんですけれども、特急料金は一切割引かない、このような対応を当たり前のようにしているわけですね。しかも、例えば精神障害者の方でも、近距離移動なら大丈夫だと。
例えば、施設に通う、施設には誰か職員の方がいる、家にはお母さんが待っている、この距離だけ、自分一人で何とか乗れる。本人一人の場合は、百キロ以下は一円も割引かないんですよね。これがJRの対応ですよ。これは、皆さん正しいと判断されているんでしょうか。それとも、やはりこの点についても皆さん改善を求められているんでしょうか。


❖ JRの代弁に終始する厚労省・国交省 ❖

○木村政府参考人  
繰り返しになりますけれども、国土交通省は、障害者差別解消法に基づく鉄道事業の主務大臣といたしまして、精神障害者の方々に対する割引だけじゃなくて、各種要望ございます、今御指摘いただきました特急料金、これについての割引の運賃の導入を始めといたしまして、障害者割引の拡充について、従来より、鉄道事業者に対して理解と協力を求めてきたところでございます。
JRが新幹線などの特急料金について割引を導入しない理由でございますけれども、運賃は、障害者の方々の日常生活を支える、まさにこの根幹となるような基本的サービスでございます。これに対する対価でございますので、運賃については、割引について導入しているところであります。しかしながら、特急料金につきましては、基本的には日常の生活に必要な範囲を超える長距離などの移動に対する速達性、それから快適性の向上等の付加的サービス、この対価でございますので、その料金につきまして、身体障害者の方々の割引を導入することにつきましては、他の旅客の方々との料金負担のバランス、こういったことを欠くことになりますので、特段の割引は現在のところ行っていない、以上でございます。


❖ 借金のツケは国民=JRの言い訳は全く理解できない ❖

○大岡分科員  
申し訳ないけれども、JRの言い訳は、全く私は理解できません。
障害者は快適な移動をしてはいけないのか。東京から大阪まで行くのに、障害者は鈍行に乗って、我々健常者は新幹線にどうぞお乗りください、これがJR各社の、今これから私たちが目指そうとしているバリアフリー社会に対する答えなんですか。
そもそも、JRが発足するときにどうしたんですか、これは。国鉄の巨額の債務を国民にツケ回したわけでしょう。今なおこの国鉄の債務というのは私たちが払い続けているんです。
まだ残高は、恐らく今年でも、十五兆は借金が残っているはず。これから私たち国民がこの十五兆の借金を払い続けるわけです。さらに、JR東海がリニアを造ろうとしたとき、国の特別なお金を入れてもらって、これだって国民がみんなで出し合ったお金じゃないですか。
なのに、バリアフリー社会をつくろう、ユニバーサル社会をつくろうと言っているときに、障害者が快適な移動をしてはならない、速達は認められないと。一体どの口が言っているのかと私も本当にちょっとJRのトップに聞いてみたいというふうに思っております。


障害者の割引が過重な負担?
❖ 合理的な配慮の範囲とは一体何か? が問われる ❖

さて、そうした中、障害者差別解消法の改正、今年、予定をしておりますが、先ほど来議論していますとおり、障害者の割引をするのが過重な負担だとなってしまうと、合理的な配慮の範囲というのは一体何なんだという議論もあります。
この障害者差別解消法を改正して、民間に対して努力義務を義務とすることによって、こうしたJRの考え方は改善されるのでしょうか。担当としてどのように考えておられるか。

○難波政府参考人
  民間事業者の対応につきましては、障害者差別解消法第十一条の規定に基づきまして、事業を所管する主務大臣が定める対応指針に基づき行われるということになってございます。
国土交通大臣の下で判断されるべきものと考えておりますが、やはり、法の趣旨として、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重しながら共生する社会の実現という趣旨がございます。これを踏まえて適切に御判断いただきたいと考えているところでございます。

○大岡分科員 
政府として、SDGsを含めてユニバーサル社会をつくっていこうとする矢先に、元々国鉄であった企業がこの程度の認識しかないというのは、私は非常に残念に思っております。最後に、厚生労働大臣にお尋ねをしたいと思います。
JR各社を始めとする公的な責任を負っている企業、場合によっては民間企業と言ってみたり、もちろん公的な企業と言ってみたり、実際に、そのうち二社は、いまだに一〇〇%の株を国が持っている企業です。こうした企業に対してどのようなことを求めていかれるのか、大臣のお考えを最後に伺いたいと思います。

※SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。

○山本副大臣 
全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重しながら共生する社会を実現するということは、大変重要であるということを考えている次第でございます。民間企業を含めて、社会全体で取組を行っていく必要があると考えている次第でございまして、厚労省としては、障害者差別解消法を踏まえつつ、内閣府とも連携しながら、引き続き、民間企業に対して、合理的配慮の推進を含め、障害のある方に対する理解の促進を図ってまいります。


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